平間一也の産業論 ~ 電気とエネルギーのこれから

電気代はこの先どこまで上がり、売電から自家消費への転換は何をもたらすのか。太陽光・蓄電池専門店ECODA代表 平間一也氏が、FIT制度と市場構造の両面から、日本のエネルギー産業のこれからを読み解くブログです。

平間一也の産業論 ~ 電気とエネルギーのこれから

電気代はこの先どこまで上がり、売電から自家消費への転換は何をもたらすのか。太陽光・蓄電池専門店ECODA代表 平間一也氏が、FIT制度と市場構造の両面から、日本のエネルギー産業のこれからを読み解くブログです。

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平間一也が語る、太陽光で損をしない判断基準。見積書のどこを見れば正しく業者を選べるのか

太陽光発電を検討すると、必ず耳に入ってくるのが、「太陽光発電」ではもう元が取れないという話です。戸建て向けの太陽光・蓄電池を専門に手がける株式会社ECODA代表の平間一也は、この問いに対して、元が取れるか取れないかではなく、条件が合う家と合わない家があるだけだと答えます。3,000件を超える施工と2,000件以上の補助金申請に関わってきた立場から、検討中の方が判断を誤らないための実務的な視点を聞きました。

いまだに残っている、三つの誤解

平間一也がまず挙げるのは、パネルの寿命に関する誤解です。10年から20年で寿命が来て交換しなければならないと思っている方が、いまだにいらっしゃると言います。実際には、パネルそのものの実発電量はカタログ値とほとんど変わらない水準で推移すると考えてよく、10年程度で発電量が半分になるということもありません。これも根強く信じられている誤解のひとつです。

三つ目は、太陽光はお金持ちが設置するものだという思い込みです。実態はむしろ逆に近く、電気代の負担から家計を守るために設置する層が中心になっています。

交換が必要になるのはパネルではなくパワーコンディショナのほうで、こちらは20年前後が目安です。パネルの洗浄については、戸建てであれば基本的に必要ありません。点検も、発電状況をアプリで確認できるようになった現在では、必須ではなくなりつつあります。メンテナンス費用がかさんで結局意味がなくなるのではないかという不安は非常に多いものの、実務の感覚としてはそこまでのコストはかからない、というのが平間一也の説明です。

一方で、正直に伝えておくべき費用もあります。将来的に家屋を解体する際、太陽光が載っていると廃棄費用が上乗せされ、10万円から20万円前後かかることがあります。導入前に知っておくべき情報として、平間一也はこの点を隠さずに伝えるべきだと考えています。

儲けるための設備ではなく、支出を止めるための設備

平間一也は、いまの太陽光は儲かるものではないと明言します。かつては売電で得をすると言われた時代がありましたが、現在は売電価格が下がり、購入する電気の単価が上がったことで、余った電気を売ることの妙味は薄れました。

そのうえで彼が指摘するのは、それでも設置する人がむしろ増えているという事実です。本当に昔のほうが経済的に有利だったのなら、いま設置する人は激減しているはずだと言います。大きく得をするためではなく、電気代の高騰によって損をする金額を減らすために設置されている。家から出ていくお金を止めるための設備に変わった、という理解です。この前提を取り違えたまま、売電収入を期待して検討を始めると、判断そのものがずれていきます。

見積書のどこを見れば、業者は見抜けるか

ここが読者にとって最も実用的な部分かもしれません。平間一也が挙げる判別点は明快で、設置する商材の部品名まで細かく記載があるかどうかを見てください、というものです。見積書そのものに書かれていなくても、部品の一覧を提示してくれるかどうかで判断できます。

一式いくら、という書き方で内訳が見えない見積書は、何がいくらなのかを確認する手段がありません。逆に、部品名まで開示する事業者は、その内容を確認されても困らないという姿勢を示していることになります。

安いパネルと良いパネル、その差はどこに出るか

価格だけで選ぶとどうなるのかという問いに対して、平間一也は三つの違いを挙げます。発電量が違い、劣化率が違い、そして保証が違う、というものです。初期費用の安さと引き換えに、この三つで不利を引き受けることになります。長期にわたって使う設備である以上、この差は導入初年度ではなく、その後の年月をかけて表面化します。

国産と海外製の違いについては、基本的に大きく変わらないという見解です。海外メーカーであっても日本に支部があり、保証面で問題のないケースが多くあります。国内メーカーの長州産業などに安心感を持つ方が多いのも事実で、その感覚自体を否定するものではありません。

施工品質の差は、現場に現れる

見えにくいものの、実は差が大きいのが施工です。平間一也によれば、安い事業者は職人の質が低いケースが多く、設置ミスによるエラーや、接続ミスで商材そのものを壊してしまうといったことが起こります。現場に普通に遅刻してくる、という基本的な部分で差が出ることもあります。

設備の性能がカタログ通りであっても、取り付ける人の技術が伴わなければ、その性能は発揮されません。誰が施工するのかを確認しないまま価格だけで決めることの危うさは、ここにあります。

蓄電池は入れるべきか、太陽光だけでいいのか

売電価格が安く、余った電気を売ってもあまりプラスにならない現状を踏まえると、基本的には蓄電池はあったほうがよいというのが平間一也の考えです。発電した電気を自宅で使い切るほうが、経済的な合理性があるためです。

ただし例外もあります。電気の使用量が少なく、電気代がかなり安い単身世帯であれば、まずは太陽光のみという選択も十分にありうると言います。すでに卒FITを迎えた家庭については、蓄電池や電気自動車を組み合わせて自家消費をさらに強める方向を勧めています。

初期費用ゼロプランを検討する前に

初期費用がかからないPPAモデルについても、平間一也は仕組みと注意点の両方を押さえておくべきだと言います。契約期間は10年から20年程度が一般的で、途中で解約すると違約金が発生する場合があります。屋根の修繕や建て替え、住宅を売却する際には、PPA事業者との調整が必要になることもあります。そして最も重要なのは、発電設備が自分のものではないという点です。初期費用がかからないことと引き換えに、屋根の使い方に長期の制約がかかる仕組みだと理解したうえで判断する必要があります。

補助金は、必要だと感じたときに使う

補助金の予算は年々減っている、というのが現場の実感です。だからこそ平間一也は、太陽光が必要だと感じたのであれば、極力そのタイミングで使える補助金を活用して導入することを勧めています。来年まで待てばもっと良い制度が出るのではないかという期待は、これまでの推移を見る限り、必ずしも報われていません。

後悔する人と、満足する人を分けるもの

最後に、導入後の満足度を分ける条件について尋ねました。答えは簡潔で、屋根や電気代の条件が合っていないのに設置してしまった方は後悔し、条件が合っていた方は満足する、それだけだと言います。

ある程度の電気代を支払っていて、屋根の形状や日当たりといった条件がそろうのであれば、電力会社から買い続けるより設置したほうが確実に安くなります。逆に条件が合わないのであれば、無理に付けるものではありません。太陽光で損をしないために最も必要なのは、うまい話を見つけることではなく、自分の家がその条件に当てはまるかどうかを冷静に確かめることだと、平間一也は語っています。

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